金型部品DBフォーマット研究WG

WG主旨(目的、概要、背景)

商品の価格を決める大きな要因として「販売数量」と「開発コスト」が挙げられる。金型設計用CADシステムにおいては「売れる本数が少ない」「開発コストが高い」というように価格が高くならざるを得ない状況にある。市場規模が小さいことが原因であるようにも言われるが,日本国内の金型メーカーは1万事業所あるとも言われているうえ,金型設計用CADシステムの普及率が高いとは言えない。売れる本数が少ない原因の一つは「(色々な意味で)使い難い」ことにあるのではないだろうか?
金型設計用CADシステムは大雑把にいうと汎用CADシステムに「金型設計用機能(コマンド)」と「金型標準部品データ」を追加したものであり,その使い勝手は「コマンドの良し悪し」と「登録されている金型標準部品データの点数」に依存する。 「金型設計用コマンド」は各ソフトウエアの特徴でもあり,個別の話になるので各ソフトウエアメーカーの更なる努力に期待したい。
「金型標準部品データ登録数」については,各ソフトウエアメーカーが各金型標準部品メーカーのカタログから人海戦術で登録を行っているという話を聞いたことがあり,金型設計用CADシステムの開発コストが上昇する一因にもなっているようだ。同様の理由で,金型設計用CADシステムに登録されている金型標準部品データを最新の状態に維持するためにもコストと時間がかかり,そのため金型標準部品メーカーが次々と開発する金型標準部品を有効に利用できる状態にあるとは言えない。 そこで,本WGでは,金型設計用CADシステムへの金型標準部品データの登録/更新にかかるコストを下げ,ユーザが常に最新のデータを利用できるようにするために,部品メーカーやCADシステムの垣根を越えて広く利用できる金型部品DBの構築を前提としたフォーマット作成を目的とする。
金型標準部品データが標準化され,利用されることで金型設計用CADシステム開発メーカーやユーザにメリットがあるのはもちろんのこと,金型標準部品メーカーにも「金型設計用CADシステムを活用した電子商取引など販売のチャンスが広がる」「新しい製品や特徴的な製品のデータをユーザへ迅速に,かつ低コストで提供することができる」などのメリットがあると考える。

WG活動内容

本WGの主たる研究対象は「金型部品DBの構築を前提としたフォーマット」であり,その利用方法は関係各社の特徴付けに直結するため,あくまでも副次的な研究となる予定である。例えば,フォーマットに定義する項目(ex段付EPの先端径,根元径,ツバ径,全長,根元長さ,ツバ厚,材質,注文コード,納期,値段etc)は本WGにおいて検討するが,どのような値を登録するかは金型標準部品メーカーが独自に決めるべきものであると考える。また,金型設計用CADシステムの部品選定/検索機能や部品発注システム,金型部品総合カタログサイトなどといった金型部品DBを利用するアプリケーションは金型設計用CADメーカーをはじめとしたソフトウエアメーカーが独自性をもって開発するものであるが,金型部品DBとのインターフェースについては本WGにおいてその仕様を検討し,公開する予定である。
本WGにおいては,すべての型種におけるすべての標準部品を網羅的に扱うことは現実的ではないと考えており,まずはプラスチック金型及びダイカスト金型用の標準部品に絞って検討を進める。
はじめに,金型設計用CADシステムにおける部品データの取り扱い方法や金型標準部品メーカーが持っているデータ,ユーザが金型設計を行う上での部品選定方法等についての現状を把握するために,WG参加各社のヒアリング/アンケート/発表を行う。 続いて,現状把握の結果を踏まえて,多種におよぶ金型標準部品データを統一的に扱うためのフォーマットについて項目や書式,APIの仕様などを検討する。これらを金型部品DB標準仕様として日本金型工業会名義で公開したいと考えている。
金型部品DB標準仕様第一版の完成は活動開始後一年程度を目標とする。二年目以降ではインターフェースプログラムやビューア,金型標準部品データなどの実装と金型部品DBの運用に付いて検討を行いたい。また,標準仕様公開後は継続的にメンテナンスを行いたいと考えている。